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  • 2024.04.10.Wed

    2024年3月の最新新着情報  NMN機能性食品開発協会 橋本圭司

    2024年3月の最新新着情報  NMN機能性食品開発協会 橋本圭司

    シンガポールで販売されるNMNサプリメントの量と純度をテマセク・ポリテクニックとNUSヨンローリン医科大学の研究者が調査した結果、18製品のテストにおいて、3製品にはNMNが含まれておらず、6製品はラベル表示より20%~100%低い含有量、6製品は0~20%未満、3製品は表示を超える含有量があったことが報告されました(その他引用1)。サンダロワ博士は、問題解決のためにメーカー間の業界全体での協力が必要であるとしています。一方で現在の検査手法では検出に不正確な場合があり、品質基準の開発に向けた企業との協力が求められるとしています。3月では以下の最新情報をご紹介します。 今月の主なトピックスは以下の通りです。①新型コロナウイルス感染症がもたらす睡眠障害のメカニズムとNMNによる改善法に関して考察したレポートが公開されました②老齢のマウスにおいて、NMNの補給は老年期の虚弱を遅らせ、健康な老化を助け、結腸の老化を遅らせることができることが示されました 以下詳細です。①新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、睡眠に関する問題を引き起こすことが分かっています。特に、不眠症と呼ばれる睡眠障害が増加しています。不眠症とは、寝つきが悪い、途中で目が覚める、睡眠時間が短いなどの症状で、心身の健康や生活の質に悪影響を及ぼします。このような不眠症をCOVID-19と関連付けて、「COVID-ソムニア」や「コロナソムニア」と呼ぶことがあります。不眠症の原因は、心理的な緊張や不安、生活リズムの乱れ、睡眠の質を調整する機能の低下などが複雑に絡んでいます。不眠症の治療には、薬物療法や行動療法などがありますが、副作用や効果の持続性などの問題があります。最近、不眠症の新しい治療法として、ニコチンアミド・モノヌクレオチド(NMN)という物質の摂取が提案されています。NMNは、ビタミンB3から生成される物質で、さまざまな食品に含まれています。NMNが体内に摂り込まれると、「NAD」という補酵素へと変換されます。NADは、細胞内のエネルギーの産出やDNAの修復などに必要な物質です。しかし、加齢やストレスにより減少することが知られています。NADの量が減ると、サーチュインというタンパク質の働きも低下します。サーチュインは、老化や寿命の制御に重要な役割を果たすタンパク質で、睡眠にも関係しています。サーチュインの中でも、SIRT1という種類のタンパク質は、睡眠と覚醒のバランスを調整する神経伝達物質や睡眠物質と関係しています3。また、SIRT1は、脳内で体内時計を司るBMAL1とCLOCKという遺伝子の働きを活性化させます。体内時計は、日中と夜間のリズムに合わせて、睡眠の質や量を調節する機能です。さらに、SIRT1は、睡眠の必要度を高める機能である睡眠恒常性にも寄与すると考えられています。COVID-19の感染により、SIRT1の働きが阻害されることが分かっています。これは、COVID-19が炎症を引き起こし、細胞内のNADの量を減らすことが原因です。NADの量が減ると、SIRT1の活性も低下します。NADは、COVID-19の感染に対する抵抗力にも関係しています。COVID-19の重症患者では、NADの量が健康な人よりも低いことが報告されています。これらのことから、COVID-ソムニアは、COVID-19の感染によるNADの減少が、SIRT1の働きを低下させ、体内時計や睡眠恒常性に悪影響を及ぼすことが原因である可能性があります。SIRT1が睡眠の調節に重要な役割を果たすとすれば、SIRT1の働きを回復させることが、COVID-ソムニアの治療に有効であると考えられます。そのためには、SIRT1とNADの関係を明らかにする基礎研究や、SIRT1の活性を高める安全で効果的な治療法の開発が必要です。表題:Covidsomnia: is the sirtuin1-NAD + axis the clue of the matter?<対象>-<引用>Mormile, R., Mormile, C. Covidsomnia: is the sirtuin1-NAD + axis the clue of the matter?. Sleep Biol. Rhythms (2024). https://doi.org/10.1007/s41105-024-00518-z<URL>https://link.springer.com/article/10.1007/s41105-024-00518-z ②老化とは、年齢とともに生物の多くの組織や臓器の生理機能が衰えることを指します。年を取るにつれて、私たちの腸も変化し、弱くなり、全体的な老化に寄与する可能性があります。最近の研究では、β-ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)が腸の機能を調節する役割を果たしていることが示唆されていますが、老化マウスの結腸・大腸の健康を維持する役割についてはまだ十分な研究がありません。この研究は、老化マウスの結腸機能に対する長期介入の効果を調べることを目的としました。本研究では、特定の遺伝子が欠けているため早く老化するマウスのモデルであるZmpste24-/-マウスを使用しました。その結果、NMNが寿命を延ばし、老化を遅らせることを証明しました。これは、腸上皮細胞をつなぎ不要な物質が体内に入るのを防ぐタイトジャンクションタンパク質の発現を増加させ、粘液を作り腸の保護をする役割を果たすゴブレット細胞の数を増やし、抗炎症因子の放出を増加させ、有益な腸内細菌を増やすことによって達成されました。また、NMNはSIRT1、NMNAT2、NMNAT3というタンパク質の発現を増加させ、P53タンパク質の発現を減少させました。さらに、Wnt/β-カテニンとLgr5を増加させることで、腸幹細胞の活動を調節しました。Wnt/β-カテニンとLgr5は、腸幹細胞の活動を促進するためのシグナル経路です。また、NMNは腸内細菌の一種で健康に良い影響を与えるとされる細菌群を増加させ、がんにおけるコリン代謝に関連する代謝経路において顕著な違いがあることも明らかになりました。要約すると、NMNの補給は老年期の虚弱を遅らせ、健康的な老化を助け、腸の老化を遅らせることができることが示唆されました。表題:β-Nicotinamide mononucleotide supplementation prolongs the lifespan of prematurely aged mice and protects colon function in ageing mice<対象>マウス<引用>Gu Y, Gao L, He J, Luo M, Hu M, Lin Y, Li J, Hou T, Si J, Yu Y. β-Nicotinamide mononucleotide supplementation prolongs the lifespan of prematurely aged mice and protects colon function in ageing mice. Food Funct. 2024 Mar 6. doi: 10.1039/d3fo05221d. Epub ahead of print. PMID: 38445897.<URL>β-Nicotinamide mononucleotide supplementation prolongs the lifespan of prematurely aged mice and protects colon function in ageing mice<その他引用>1.” NMN quality in question:Singapore reasearchers call for industory effort in meeting label claims”, https://www.nutraingredients-asia.com/Article/2024/03/13/nmn-supplements-sold-in-singapore-did-not-meet-label-claims-says-new-research
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  • 2024.04.10.Wed

    2024年2月の最新新着情報  NMN機能性食品開発協会 橋本圭司

    2024年2月の最新新着情報  NMN機能性食品開発協会 橋本圭司

    2月では以下の最新情報をご紹介します。今月の主なトピックスは以下の通りです。①皮膚病である乾癬治療にNMNという物質が有効であるという研究が公開されました。本研究ではNMNはサーチュインを介して乾癬による皮膚の炎症、酸化ストレス、ミトコンドリアの障害を防ぐことができると結論づけました。②NMNが、男性ホルモンであるジヒドロステロンによって引き起こされる毛乳頭細胞の炎症や酸化ストレスを抑制し、毛の成長を促進する物質の発現を高めることで、毛の成長を促進することが分かりました。 以下研究の詳細です。①皮膚病である乾癬治療にNMNという物質が有効であるという研究が公開されました。 乾癬とは、皮膚の炎症や角化が慢性的に起こる自己免疫疾患で、再発しやすく原因は不明です。 NMNとは、ニコチンアミドモノヌクレオチドの略で、ビタミンB3の一種であり、NAD+という細胞のエネルギー源に変換されます。 NAD+は、サーチュインという老化防止タンパク質を活性化する働きがあります。 この研究では、マウスや細胞培養で乾癬のモデルを作り、NMNを投与すると症状が改善することを示しました。 NMNは、皮膚の過剰な増殖や腫れ、炎症を抑え、サーチュインのレベルを上げました。 また、NMNは、炎症性の因子や酵素、酸化ストレスを減らし、ミトコンドリアの機能を回復し、自己免疫反応を抑制しました。 しかし、サーチュインを遺伝子操作で消した細胞では、NMNの効果は見られませんでした。 したがって、本研究ではNMNはサーチュインを介して乾癬による皮膚の炎症、酸化ストレス、ミトコンドリアの障害を防ぐことができると結論づけました。 これは、NMNが乾癬の治療に有望な候補であることを示唆しています。表題:The Role of Nicotinamide Mononucleotide Supplementation in Psoriasis Treatment<対象>in vivo、in vitro<引用>Zhang Z, Cheng B, Du W, Zeng M, He K, Yin T, Shang S, Su T, Han D, Gan X, Wang Z, Liu M, Wang M, Liu J, Zheng Y. The Role of Nicotinamide Mononucleotide Supplementation in Psoriasis Treatment. Antioxidants (Basel). 2024 Feb 1;13(2):186. doi: 10.3390/antiox13020186. PMID: 38397784; PMCID: PMC10886094.<URL>https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10886094/  ②β-Nicotinamide mononucleotide (NMN) は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド (NAD) の前駆体と呼ばれる物質で、NADは細胞のエネルギー代謝や老化防止に重要な役割を果たします。NMNは、腸の健康に良い効果を示し、老化やアルツハイマー病の治療薬としても注目されています。マウスの毛の成長に対するNMNの効果を調べるために、毛を剃ったマウスにNMNを投与した実験が行われました。その結果、NMNは、ジヒドロテストステロン (DHT) という男性ホルモンによって引き起こされる毛包の萎縮や毛の細くなりやすさ、毛の少なさを、ミノキシジルという育毛剤よりも効果的に逆転させることが分かりました。さらに、NMNが毛の成長を促進するメカニズムを詳しく調べるために、DHTで処理されたヒトの毛乳頭細胞 (HDPCs) という細胞を培養してNMNを加えた実験が行われました。毛乳頭細胞とは、毛包の底部にある細胞で、毛の発生や成長に重要な役割を持っています。DHTは、毛乳頭細胞の生存率を低下させ、炎症を引き起こす物質であるインターロイキン-6 (IL-6)、インターロイキン-1ベータ (IL-1β)、腫瘍壊死因子アルファ (TNF-α) などを放出させます。しかし、NMNは、DHTによって引き起こされる炎症物質の放出を有意に低減させることが分かりました。また、NMNは、毛乳頭細胞を酸化ストレスから保護し、炎症を引き起こすシグナル伝達経路であるNF-κB p65を抑制することが分かりました。さらに、PCRという方法で、毛乳頭細胞の中のアンドロゲン受容体 (AR)、ディックコップ-1 (DKK-1)、β-カテニンという物質の量を測定しました。ARは、DHTの作用を受ける受容体で、DKK-1は、毛の成長を阻害する物質です。β-カテニンは、毛の発生や成長を促進する物質です。NMNは、DHTによって引き起こされた毛乳頭細胞の中のARとDKK-1の発現を抑制し、β-カテニンの発現を増加させることが分かりました6。また、NMNは、血管内皮増殖因子 (VEGF) という血管新生を促進する物質の発現を高め、IL-6のレベルを低下させることが分かりました。以上のことから、NMNは、DHTによって引き起こされる毛乳頭細胞の炎症や酸化ストレスを抑制し、毛の成長を促進する物質の発現を高めることで、毛の成長を促進することが分かりました。表題:β-Nicotinamide Mononucleotide Promotes Cell Proliferation and Hair Growth by Reducing Oxidative Stress<対象>in vivo、in vitro<引用>Xu C, Dai J, Ai H, Du W, Ji H. β-Nicotinamide Mononucleotide Promotes Cell Proliferation and Hair Growth by Reducing Oxidative Stress. Molecules. 2024 Feb 8;29(4):798. doi: 10.3390/molecules29040798. PMID: 38398550; PMCID: PMC10893548.<URL>https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10893548/
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  • 2024.04.10.Wed

    2024年1月の最新新着情報  NMN機能性食品開発協会 橋本圭司

    2024年1月の最新新着情報  NMN機能性食品開発協会 橋本圭司

    1月では以下の最新情報をご紹介します。今月の主なトピックスは以下の通りです。①ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)を朝食前に250㎎、8週間摂取した日本人中年男性において、安全に代謝され末梢血単核球中のNAD+の向上及び、経口ブドウ糖負荷後にインスリン過剰分泌がみられた参加者において、NMNは冠動脈疾患の危険因子である食後高インスリン血症を緩やかに抑制したという臨床研究が公開されました。②NMNが高脂肪食誘発性動脈硬化症からマウスを保護し、大動脈の炎症と酸化ストレスを抑制することを示唆する研究が出ました。研究ではNMNは動脈プラークの蓄積とその中の脂肪沈着を減少させ、動脈硬化の抑制を示唆されました。またNMNは、動脈プラーク内の死んだ細胞や脂肪の蓄積を減少させることにより、プラークの破裂から保護することが示されました。③母乳中のNMN濃度と乳児の神経発達との関連を示す研究が公開されました。 以下研究の詳細です。①NMNの8週間経口投与による影響を調べる8週間の単施設、単群、非盲検臨床試験が慶応大学病院にて行われました。内容としては11人の健康な中年日本人男性が、125mgのNMNカプセル2個を1日1回朝食前に摂取するもので、結果は安全に代謝され、末梢血単核球中のNAD+濃度はNMN投与期間中に上昇がみられました。また、経口ブドウ糖負荷後にインスリン過剰分泌がみられた参加者において、NMNは冠動脈疾患の危険因子である食後高インスリン血症を緩やかに抑制しました(n = 3)。結論として、NMNは健康な中年の日本人男性において、安全かつ効果的にNAD+生合成を促進し、食後高インスリン血症を緩和する可能性を示唆するものとなりました。表題:Safety and efficacy of long-term nicotinamide mononucleotide supplementation on metabolism, sleep, and nicotinamide adenine dinucleotide biosynthesis in healthy, middle-aged Japanese men<対象>日本人中年男性<引用>Yamaguchi S, Irie J, Mitsuishi M, Uchino Y, Nakaya H, Takemura R, Inagaki E, Kosugi S, Okano H, Yasui M, Tsubota K, Hayashi K, Yoshino J, Itoh H. Safety and efficacy of long-term nicotinamide mononucleotide supplementation on metabolism, sleep, and nicotinamide adenine dinucleotide biosynthesis in healthy, middle-aged Japanese men. Endocr J. 2024 Jan 6. doi: 10.1507/endocrj.EJ23-0431. Epub ahead of print. PMID: 38191197.<URL>https://www.jstage.jst.go.jp/article/endocrj/advpub/0/advpub_EJ23-0431/_article/-char/ja/ ②慢性炎症性疾患であるアテローム性動脈硬化症は、動脈硬化性心血管系疾患の主な原因となります。効果的なNAD+ブースターであるニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)は、動脈硬化の進行と強く関連する炎症を抑え、血管細胞機能を保護することが示されています。本研究では、動脈硬化を発生するマウスを用い、NMNの抗動脈硬化作用とその潜在的機序について検討し、その結果、NMNは大動脈洞の動脈硬化性プラークの大きさ(36%)と壊死コア(48%)を有意に減少させました。さらに、NMNは動脈硬化病変の脂質面積(43%)を減少させ、コラーゲン含量(51%)を増加させました。さらに、NMNは血清中のマロンジアルデヒド(MDA)レベルを低下させ、同時にスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)とグルタチオンペルオキシダーゼ(GSH-PX)の酵素活性を上昇させることが示されました。さらに、NMNは大動脈組織において、炎症性サイトカイン(Tnfα、Il-1β、Il-6、Mcp-1)の発現を低下させる一方で、抗炎症性因子(Arg-1、Mrc-1、Retlna、Irf-4)の発現を上昇させる結果となりました。これらの結果は、NMNが炎症と酸化ストレスを軽減することによって抗動脈硬化作用を発揮し、動脈硬化の治療戦略の可能性を提供する可能性を示していると本研究では示唆されています。表題:Nicotinamide mononucleotide protects against high-fat-diet-induced atherosclerosis in mice and dampens aortic inflammation and oxidative stress<対象>マウス<引用>Zi Wang, Shuaishuai Zhou, Yanling Hao, Tiancheng Xu, Peng An, Yongting Luo, Junjie Luo, Nicotinamide mononucleotide protects against high-fat-diet-induced atherosclerosis in mice and dampens aortic inflammation and oxidative stress,Journal of Functional Foods, Volume 112, 2024, 105985, ISSN 1756-4646,https://doi.org/10.1016/j.jff.2023.105985.(https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1756464623005856)<URL>https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1756464623005856#b0050  ③母乳中のNADとその前駆体の量と乳児の神経発達成績との関連を調べた研究が出ました。NADはエネルギー代謝やDNA修復などの生命活動に必要な物質で、加齢や疾患と関連して減少します。NADの前駆体は母乳に多く含まれ、特にNMNは人間の乳に他の哺乳類よりも豊富とされています。動物実験では、NADの前駆体を投与された母親の子どもの神経発達が促進されることが示されています。本研究では、東北メディカル・メガバンクの三世代コホートから無作為に選ばれた日本人の母乳中のNAD関連物質の量を測定し、順序ロジスティック回帰分析で乳児の神経発達成績との関連を評価しました。結果、母乳中の主要なNAD前駆体としてNMNが定量されました。そして、母乳中のNMN濃度は、24ヵ月時点の乳児の神経発達転帰と有意な正の相関を示した唯一の母乳中のNAD関連物質でもありました。また、NMNはNRやNAMよりも母乳中で安定しており、副作用も少ないと指摘しています。NMNの効果は24ヶ月時点で顕著になることが示唆されました。一方、NAMはNAD依存性酵素の活性を阻害することがあり、神経発達成績と負の相関がありました。以上より、母乳に含まれるNMNは乳児の神経発達にとり重要な栄養素である可能性を示唆しています。表題:Effect of Nicotinamide Mononucleotide Concentration in Human Milk on Neurodevelopmental Outcome: The Tohoku Medical Megabank Project Birth and Three-Generation Cohort Study<対象>東北メディカルメガバンクのコホートから無作為に選ばれた母子<引用>Saito Y, Sato K, Jinno S, Nakamura Y, Nobukuni T, Ogishima S, Mizuno S, Koshiba S, Kuriyama S, Ohneda K, Morifuji M. Effect of Nicotinamide Mononucleotide Concentration in Human Milk on Neurodevelopmental Outcome: The Tohoku Medical Megabank Project Birth and Three-Generation Cohort Study. Nutrients. 2023 Dec 31;16(1):145. doi: 10.3390/nu16010145. PMID: 38201974; PMCID: PMC10780616.<URL> https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38201974/
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  • 2024.01.16.Tue

    2023年12月の最新新着情報  NMN機能性食品開発協会 橋本圭司

    2023年12月の最新新着情報  NMN機能性食品開発協会 橋本圭司

    12月では以下の最新情報をご紹介します。米国におけるNMNの状況に関して、食品会社等から協会に意見を求めてこられる事もあり、最新記事がありましたのでご紹介します(その他参考資料1)。協会としては、下記米国の状況に関わらず、品質の良いNMNサプリメントを日本のメーカーから出し続ける事が、市場の成長に繋がると考えています。高齢社会における健康寿命増進は、医療費の高騰を抑えるため重要であり、NMNが気軽に手にとれる環境を作ることは、それに対して有効な手立てに成りうるものです。また、米国においても、記事中にあるように別成分で同様の事例が起こり、訴訟が出された結果サプリメントとして販売が認められた事例があるため、まだ不確定要素が多いと考えています。記事を要約すると以下の通りです。米国食品医薬品局(FDA)は、2022年10月に、抗老化サプリメントとして人気のあるNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)を新薬として調査中であるとして、食品やサプリメントとしての販売を禁止しました。この決定は、NMNの利用者やサプリメント業界に衝撃を与えました。多くの人々は、FDAの方針が科学的根拠に基づいていないと考えています。一部の専門家や団体は、FDAの決定に対して訴訟を起こす可能性を示唆しています。今月の主なトピックスは以下の通りです。・ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)と、寒天の主成分であるアガロースから生成されるネオアガロオリゴ糖(NAOS)の共同治療をすることで、マウスの認知機能の低下を、それぞれ単独で投与するよりも効果的に軽減させました。以下研究の詳細です。1.本研究ではニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)と、寒天の主成分であるアガロースから生成されるネオアガロオリゴ糖(NAOS)の共同治療をすることで、マウスの認知機能の低下を、それぞれ単独で投与するよりも効果的に軽減させました。また、ミトコンドリアのダイナミクスを促進し、脳内のミトコンドリア融合タンパク質の発現を増加させました。脳の炎症遺伝子活性化も抑制することが観察されました。これらの結果から、NMNとNAOSの組み合わせは、ミトコンドリア機能の調節を通じて認知機能の低下を改善する可能性があることが示唆されています。 表題:Co-treatment of nicotinamide mononucleotide and neoagarooligosaccharide mitigates aging-induced cognitive impairment by promoting mitochondrial dynamics<対象>マウス<引用>Tao Li, Yanxiao Li, Qiaojuan Yan, Zhengqiang Jiang, Shaoqing Yang, Co-treatment of nicotinamide mononucleotide and neoagarooligosaccharide mitigates aging-induced cognitive impairment by promoting mitochondrial dynamics, Journal of Functional Foods, Volume 112, 2024, 105922, ISSN 1756-4646, https://doi.org/10.1016/j.jff.2023.105922.<URL>https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1756464623005224#b0125――以下、研究、トピックの詳細(翻訳)――<研究>1.Co-treatment of nicotinamide mononucleotide and neoagarooligosaccharide mitigates aging-induced cognitive impairment by promoting mitochondrial dynamics要旨ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)とネオアガロオリゴ糖(NAOS)のミトコンドリア機能障害、下流のアポトーシス、炎症に対する相乗効果を、老化促進マウスprone 8(SAMP8)マウスとH2O2誘導ヒト肺線維芽細胞(MRC-5)の両方で評価した。NMNとNAOSの共投与は、受動的回避試験とモリス水迷路試験における学習・記憶障害を効果的に改善した。MNNとNAOSの補充は、SAMP8マウスの脳において、OPA1(37.4%)とミトフシン2(99.7%)を含むミトコンドリア融合タンパク質の発現レベルを増加させた。さらに、NMNとNAOSの共投与は、SAMP8マウスとH2O2誘導MRC-5細胞の両方で、Baxとカスパーゼ3のタンパク質発現レベルの低下、P53/P21/P16経路のダウンレギュレーションによって示されるように、細胞のアポトーシスを有意に阻害した。同時に、NAOSと組み合わせたNMNの食事介入は、TLR4/MyD88/NF-κB経路のダウンレギュレーションを介して炎症反応を抑制した。結論的に、NMNとNAOSの組み合わせの相乗効果は、ミトコンドリア機能障害を調節することによって認知障害を改善することができる。その他参考資料1.“Lawsuits Against FDA's NMN Ban Could Be ComingSoon”,https://healthnews.com/news/lawsuits-against-fdas-nmn-ban-could-be-coming-soon/
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  • 2023.12.11.Mon

    2023年11月の最新新着情報  NMN機能性食品開発協会 橋本圭司

    2023年11月の最新新着情報  NMN機能性食品開発協会 橋本圭司

      11月では以下の最新情報をご紹介します。 ①免疫不全動物における腫瘍形成細胞の必要条件の一つとしてマクロファージの老化状態を特定し、NMNを適用することで、マクロファージ老化誘導を抑制、腫瘍発生の抑制を抑えることを示唆する研究がリリースされました。②NMNをHIV-1における抗レトロウイルス併用療法(cART)と併用することで、白血球の一種であるCD4+ T細胞の活性化と増殖を調節することによってHIV-1治療を強化できる可能性があり、それによってCD4+ T細胞の回復と治療の全体的な有効性を改善できることを示す研究がリリースされました。③NMNが人間の腸内細菌に及ぼす影響と代謝過程についてについての研究がリリースされました。以下研究の詳細です。1.がん幹細胞説とは、腫瘍組織の中に正常な幹細胞と同様な幹細胞が存在し、それらが自己を複製する能力を持つとともに、少数存在するだけで元の腫瘍組織と同様の腫瘍を形成する能力をもつという仮説です。これに着目してされてきた臨床研究ではこれまで芳しい結果が得られていませんでした。 一方、最近では腫瘍と免疫の関係が示されてきていますが、免疫のない個体における腫瘍形成に関してはほとんど明らかになっていません。そこで本研究では腫瘍形成能を有する2種の細胞モデルを用意し、免疫不全マウスに適用したところ、腫瘍形成能に差が観測されました。この2種が腫瘍形成に関して作用特性を調べることにより、免疫不全動物における腫瘍形成能の要因を特定できるのではと仮説を立てて調べました。その結果、腫瘍形成を示した細胞モデルでは腫瘍周囲のマクロファージの老化様状態を誘導していることがわかりました。個の老化誘導因子を調べたところ、インターロイキン6であり、その結果老化したマクロファージは免疫抑制をするアルギナーゼ-1を産生しました。この老化様マクロファージは、老化細胞においてニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)を使用することで知られるCD38を高発現していました。そのため、NAD+前駆体のNMNを適用したところ、マクロファージの老化が抑制され、免疫不全マウスモデルにおいて腫瘍の発生を抑制しました。表題:Tumor cell-induced macrophage senescence plays a pivotal role in tumor initiation followed by stable growth in immunocompetent condition<地域>日本・北海道大学<対象>in vitro、免疫不全腫瘍マウス<引用>Wada H, Otsuka R, Germeraad WTV, Murata T, Kondo T, Seino KI. Tumor cell-induced macrophage senescence plays a pivotal role in tumor initiation followed by stable growth in immunocompetent condition. J Immunother Cancer. 2023 Nov;11(11):e006677. doi: 10.1136/jitc-2023-006677. PMID: 37963635.<URL>https://jitc.bmj.com/content/11/11/e006677<注目ポイント>腫瘍形成の要因の一つの特定と、NMNが具体的な治療法としての可能性を示唆するものであり、癌治療戦略においても注目されるものとなります。2.HIV-1感染者の約30%は、抗レトロウイルス薬併用療法(cART)によってHIV-1ウイルス量が低下しても、CD4+ T細胞数が十分に回復しません。これはエイズや関連疾患のリスクを高めることに繋がります。ビタミンDやビタミンB3(ナイアシン)は、NADを増加させることで免疫調節に有効であり、CD4+ T細胞の回復に役立つことがこれまでの研究で示されており、NMNは、他の前駆体に比べて副作用が少なく、加齢関連の状態や感染やがんに対する免疫応答の改善に有望なエージェントとして注目されています。研究者たちは、HIV-1非感染者とHIV-1感染者から得られた末梢血単核球(PBMC)と主要なCD4+ T細胞を用いて、NMNの処理がHIV-1感染やウイルス再活性化に及ぼす影響を検討しました。結果として、NMNはHIV-1感染によるCD4+ T細胞の活性化と炎症性サイトカインの産生を抑制し、ウイルス再活性化を減少させました。また、NMNはヒト化マウスモデルにおいてもHIV-1感染に対する免疫応答を改善し、ウイルス量を低下させました。これらの発見は、NMNがHIV-1感染における免疫活性化の調節に重要な役割を果たすことを示唆し、CD4+ T細胞の回復や疾患進行の抑制に向けた新たな戦略を提供する可能性があります。表題:Nicotinamide mononucleotide impacts HIV-1 infection by modulating immune activation in T lymphocytes and humanized mice<地域>中国・香港大学<対象>HIV-1非感染者とHIV-1感染者から得られた末梢血単核球(PBMC)と主要なCD4+ T細胞、マウス<引用>Mo Y, Yue M, Yim LY, Zhou R, Yu C, Peng Q, Zhou Y, Luk TY, Lui GC, Huang H, Lim CYH, Wang H, Liu L, Sun H, Wang J, Song Y, Chen Z. Nicotinamide mononucleotide impacts HIV-1 infection by modulating immune activation in T lymphocytes and humanized mice. EBioMedicine. 2023 Nov 17;98:104877. doi: 10.1016/j.ebiom.2023.104877. Epub ahead of print. PMID: 37980794.<URL>https://www.thelancet.com/journals/ebiom/article/PIIS2352-3964(23)00443-7/fulltext#%203.NMNは、人間の免疫や代謝に関係する多くの生化学的反応に関与しており、心血管系や神経系の疾患や老化に対する治療効果や予防効果が期待されています。また、NMNは、膵島機能の維持やインスリン分泌の改善にも作用し、糖尿病や肥満などの代謝性疾患の予防や治療にも有効です。しかし、NMNが人間の腸内細菌でどのように代謝されるかや、腸内細菌にどのような影響を与えるかは、まだ十分に解明されていません。そこで、この研究では、体外で唾液や胃腸の条件を模した消化モデルを用いて、NMNの消化特性を評価しました。さらに、人工的に腸内環境を再現した装置(BGR)に、糞便を接種し、NMNを発酵させることで、NMNが人間の腸内細菌に及ぼす調節機構と、腸内細菌の存在下でのNMNの代謝過程を解明しました。この研究の結果は、NMNが人間の腸内健康を改善する機能性栄養素としての基礎的な情報を提供するとともに、人間の腸内でのNMNの代謝過程についても新たな知見をもたらすものです。表題:In vitro digestion under simulated saliva, gastric and small intestinal conditions and fermentation of nicotinamide mononucleotide, and its effects on the gut microbiota<地域>中国・江蘇省農業科学院農業生物学・生殖資源生物工学研究所<対象>in vitro消化モデル等<引用>Zhaocheng Tang, Peng Bao, Xitie Ling, Zeyu Qiu, Baolong Zhang, Tingting Hao,In vitro digestion under simulated saliva, gastric and small intestinal conditions and fermentation of nicotinamide mononucleotide, and its effects on the gut microbiota,Food Research International,2023,113779,ISSN 0963-9969,https://doi.org/10.1016/j.foodres.2023.113779.<URL>https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0963996923013273 ――以下、研究、トピックの詳細(翻訳)―― <研究>1.Tumor cell-induced macrophage senescence plays a pivotal role in tumor initiation followed by stable growth in immunocompetent condition背景 がん幹細胞説は、生体内での腫瘍形成は、幹細胞性を有する特定の腫瘍形成細胞によってのみ駆動されると提唱している。しかし、腫瘍の幹細胞性を標的とする薬剤を試験するために行われた臨床試験では、これまで満足のいく結果は得られていない。最近の研究では、腫瘍における免疫の関与が明らかになった。しかし、免疫のない個体における腫瘍形成とそれに続く安定した増殖の要件は、ほとんど不明である。方法 このことを明らかにするために、我々は2つの同様に誘導された膠芽腫株、8Bと9Gを用いた。これらはいずれもp53欠損神経幹細胞に発癌性H-RasL61を過剰発現させることによって樹立された。1000個の細胞を用いた同所移植モデルの免疫不全動物では、両者とも腫瘍形成能を示した。一方、免疫不全動物では、8Bは同様の腫瘍形成能を示すが、9Gの腫瘍形成能は非常に低い。このことは、免疫不全動物では8B細胞が腫瘍形成細胞であることを示唆している。そこで、8Bと9Gの免疫細胞との相互作用特性の違いから、免疫不全動物における腫瘍形成能の要因を同定できるのではないかと考え、解析を行った。結果 9Gとは異なり、8B細胞は腫瘍周囲のマクロファージの老化様状態を誘導した。8B細胞によるマクロファージの老化誘導因子を調べたところ、インターロイキン6であった。このような老化様マクロファージは、T細胞応答性低下の一因として知られる免疫抑制分子アルギナーゼ-1を産生した。老化様マクロファージは、老化細胞におけるNAD不足に関連するニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)グリコヒドロラーゼであるCD38を高発現した。NAD前駆体であるニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)をin vitroで添加すると、マクロファージ老化様表現型の誘導が抑制され、アルギナーゼ-1の発現が抑制された。さらに、腫瘍接種後のNMNの外因性in vivo投与は、免疫不全マウス腫瘍モデルにおいて腫瘍の発生を抑制し、その後安定した増殖を示した。結論 我々は、免疫不全動物における腫瘍形成細胞の必要条件の1つを同定した。さらに、腫瘍発生細胞のごく初期段階で起こるマクロファージ老化様状態に対して、NMNを外部投与することで腫瘍増殖が抑制されることを示した。マクロファージ老化様状態によって形成される免疫抑制環境を標的としたこの治療法は、有望な新規がん治療戦略として期待される。<引用>Wada H, Otsuka R, Germeraad WTV, Murata T, Kondo T, Seino KI. Tumor cell-induced macrophage senescence plays a pivotal role in tumor initiation followed by stable growth in immunocompetent condition. J Immunother Cancer. 2023 Nov;11(11):e006677. doi: 10.1136/jitc-2023-006677. PMID: 37963635.2.Nicotinamide mononucleotide impacts HIV-1 infection by modulating immune activation in T lymphocytes and humanized mice背景HIV-1に関連した免疫活性化は、CD4+ T細胞の枯渇と後天性免疫不全症候群の発症を促進する。我々は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)補酵素の直接の前駆体であるニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)が、HIV-1感染時のCD4+ T細胞の調節に果たす役割を明らかにすることを目的とした。方法In vitro HIV-1感染細胞、再活性化患者由来細胞、およびHIV-1感染ヒト化マウスを含むCD4+ T細胞において、NMN処理下でHIV-1統合DNAまたは転写RNA、細胞内p24蛋白質、およびT細胞活性化マーカーを調べた。CD4+T細胞に対するNMNの効果を調べるために、RNA-seqおよびCyTOF解析が用いられた。所見我々は、NMNが細胞内NAD量を増加させ、その結果、感染CD4+ T細胞、特に活性化CD25+CD4+ T細胞におけるHIV-1 p24産生および増殖が抑制されることを見出した。NMNはまた、cART治療を受けたHIV-1感染者(PLWH)由来の再活性化した安静時CD4+ T細胞におけるCD25の発現を阻害した。HIV-1感染ヒト化マウスでは、CD4+ T細胞の頻度は、cARTまたはNMN単独と比較して、cARTとNMNの併用治療によって有意に再構成され、これはCD4+ T細胞の過活性化の抑制と相関していた。解釈我々の結果は、HIV-1感染中のCD4+ T細胞の活性化におけるNMNの抑制的役割を強調するものである。この結果は、PLWHにおけるcARTとの併用療法の可能性として、NMNの今後の臨床研究を保証するものである。<引用>Mo Y, Yue M, Yim LY, Zhou R, Yu C, Peng Q, Zhou Y, Luk TY, Lui GC, Huang H, Lim CYH, Wang H, Liu L, Sun H, Wang J, Song Y, Chen Z. Nicotinamide mononucleotide impacts HIV-1 infection by modulating immune activation in T lymphocytes and humanized mice. EBioMedicine. 2023 Nov 17;98:104877. doi: 10.1016/j.ebiom.2023.104877. Epub ahead of print. PMID: 37980794.3.In vitro digestion under simulated saliva, gastric and small intestinal conditions and fermentation of nicotinamide mononucleotide, and its effects on the gut microbiotaニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)はビタミンB3の誘導体であり、ヒトの体内で多くの代謝反応に重要な役割を果たし、免疫と代謝の両方に複雑に関連している。しかしながら、NMNの腸内代謝経路や、NMNと腸内細菌叢、SCFAsとの関係については、これまで不明な点が多かった。本研究では、唾液、胃、小腸の模擬環境におけるNMNの消化を調べるとともに、試験管内発酵モデルを用いてNMNとヒト腸内細菌叢との相互作用を探った。NMNは、ニコチンアミドリボース(NR)、ニコチンアミド(NAM)、リボースへと徐々に分解され、ナイアシン酸(NA)は微生物叢による加水分解と代謝により最終分解産物となった。NMNはヒトの腸内細菌叢によって摂取され、発酵速度は遅かった。ヒト腸内細菌がNMNを摂取した結果、プロピオン酸および酪酸の濃度は、ブランク対照群と比較してそれぞれ88%および23%増加し、有益な腸内細菌(ビフィドバクテリウム、ファスコラクトバクテリウム、フェーカリバクテリウム、アリスティペス)の増殖は著しく増加したが、いくつかの有害な細菌(Sutterella、Desulfovibrio、Pseudomonas)の増殖は激減した。これらの知見は、腸内におけるNMNの代謝過程を示すものであり、NMN、SCFAs、腸内細菌叢の関係を詳しく説明するものである。NMNは、腸内環境を改善するプレバイオティクスの可能性がある。<引用>Zhaocheng Tang, Peng Bao, Xitie Ling, Zeyu Qiu, Baolong Zhang, Tingting Hao,In vitro digestion under simulated saliva, gastric and small intestinal conditions and fermentation of nicotinamide mononucleotide, and its effects on the gut microbiota,Food Research International,2023,113779,ISSN 0963-9969, 
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